グラハム粉とグラハムクラッカーについて調べてみた
『グラハム粉』と『グラハムクラッカー』を知っていますか?
チーズケーキを作ったことがある方ならおなじみの食品かもしれません。底に敷きつめてある土台として使われています。
またグラハムクラッカーでチョコレートと焼いたマシュマロをサンドした『スモア』というアメリカのキャンプで人気の定番スイーツがあります。
日本ではあまり見かけることが少なく、売られているのは輸入食品店や製菓材料店や高級食材店など限られています。
そもそもグラハム粉とは何なのか?それに伴うグラハムクラッカーについて調べてみました。
グラハム粉とは?
小麦というのは表皮・胚芽・胚乳の3つからできています。
通常の白い小麦粉は表皮と胚芽を取り除き、胚乳のみを製粉したものです。
それに対し、全粒のまま全てをまるごと製粉したものが全粒粉です。
グラハム粉は全粒粉の一種です。
全粒粉とグラハム粉は製法が異なります。
グラハム粉は胚乳部分は普通の小麦粉のように細かく製粉し、表皮と胚芽は粗挽きにして、その二つを混ぜ合わせたものです。
グラハム粉は普通の小麦よりも栄養価が高く、ビタミン・ミネラル・食物繊維・ポリフェノールなどの含有量が多いです。特にビタミンB1、食物繊維、鉄分は、小麦粉の約3倍含んでいます。
グラハム粉とグラハムクラッカーの歴史
アメリカの菜食主義の急先鋒で教会の聖職者でもあるシルベスター・グラハム(Sylvester Graham)という人物が1829年にグラハム粉を発明したことが名前の由来です。
グラハム氏は小麦の表皮や胚芽の栄養が失われることを懸念し、全粒小麦粉を提唱しました。
生来病弱であったグラハム氏は生理学や健康学を研究し、次第に当時まだ浸透していなかった菜食主義を唱えました。禁欲主義でカフェイン、肉類、香辛料、アルコール、タバコを嫌い、また風味豊かな動物性の食事は性的欲求をもたらし、人々の健康と道徳が侵食されると信じていました。性欲を抑制するためにグラハムクラッカーを考案したと言われています。
現代の一般的なグラハムクラッカーはグラハム粉に普通の小麦が配合されていたり、脂肪分(バターやショートニング)も加えられ、添加物入りのものなどグラハム氏のストイックな哲学とはかけ離れたものかもしれませんね。
ちなみにシルベスター・グラハムの信奉者にはコーンフレークを開発したジョン・ハーヴェイ・ケロッグ医学博士がいます。ケロッグ社を創設したケロッグ兄弟のお兄さんです。