古代ギリシア人が食べていた?チーズケーキの世界史・日本史

チーズケーキはお好きですか?

色んな種類のチーズケーキがあり定番の人気スイーツですが、いつの時代から食べられているのかあまり考えたことはないのではないでしょうか?
そんなチーズケーキのことを調べてみました。

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チーズケーキとは?

チーズケーキとはチーズを主材料としたケーキ。
クリームチーズやカッテージチーズ等を使用する。
温製のものと冷製のものがある。

チーズケーキの種類

ベイクドチーズケーキ

クリームチーズに卵、砂糖、生クリーム、粉類を混ぜ合わせた生地を焼き上げて固めたもの。密度のあるどっしり濃厚なケーキになる。

レアチーズケーキ

クリームチーズに生クリームや砂糖を加え、ゼラチンで冷やし固めたもの。
卵を使用せず、真っ白な見た目であっさりとした味わい。オーブンを使用しないので、夏向き。

ベイクドチーズケーキやレアチーズケーキは土台としてグラハムクラッカーを細かく砕いたものが使われることが多い。
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スフレチーズケーキ

クリームチーズに卵黄、砂糖、牛乳、粉類、卵白を泡立てたメレンゲを加え、湯煎焼きしたもの。メレンゲが加わることによって高さがあり、シュワシュワとした軽いケーキになる。定番は表面にアプリコットジャムが塗られている。スフレとはフランス語でsouffle「膨らんだ」の意味があるが、スフレチーズケーキの発祥は日本であり、世界では「Japanese Cheesecake」と呼ばれている。

ニューヨークチーズケーキ

ベイクドチーズケーキと似ているが、

一般的に言われているニューヨークチーズケーキの定義は

  • グラハムクラッカーのクラストを使用する。

チーズが多く湯煎焼きにすることによって水分が保たれ、しっとりとした濃厚なチーズの風味がある。

一応定義はあるがはっきりとしていないため、作り手によってこれは『ベイクドチーズケーキ』、これは『ニューヨークチーズケーキ』と言ってしまっても構わないらしい。曖昧さがある。

バスクチーズケーキ

スペイン・バスク地方で食されているチーズケーキ。
バスク地方サン・セバスティアンにある「ラ・ビーニャ」という店が発祥。
高温で短時間焼く。外側は黒く焦がしてあるが、中はしっとり溶けるような口当たりでクリーミー
近年日本で流行しており、コンビニのローソンでも『バスチー』という商品名で販売されている。


チーズケーキの歴史

チーズケーキの世界史


時代は遡り、古代ギリシアの『トリヨン』という食べ物がチーズケーキの原型だという説があります。
紀元前776年に第1回オリンピックが開催された時に、出場選手たちにこの『トリヨン』が振る舞われたと言われています。『トリヨン』はラード、ミルク、卵、チーズ、小麦をいちじくの葉に包んで茹でたものにハチミツをかけたもので、今のチーズケーキとは趣きの異なるプディングのような食べ物でした。

では現在私たちがイメージするおなじみのチーズケーキの姿をしたものはいつ頃からあったのでしょうか?

中世前期頃のポーランドの南にあるポドハレ地方が発祥の地だと言われています。
このポドハレ地方には『セルニック』という郷土菓子があります。『セルニック』は生乳を軽く発酵させた酸味のある『トゥファルク』という真っ白なフレッシュチーズをカスタードクリームと混ぜ合わせて焼き上げたお菓子です。この『セルニック』こそ私たちの知るベイクドチーズケーキの起源です。

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パイ生地を下に敷き、上はパイを網目状にして載せている。

今でもポドハレ地方では『セルニック』が人気で各家庭でよく食べられているそうです。
『トゥファルク』は酸味のあるチーズなので、通常チーズケーキに加えられるレモン果汁は入っていません。本来のチーズケーキはレモン果汁は元々入っていないそうです。

19世紀にポーランドユダヤ系移民がこの『セルニック』のレシピをアメリカに持ち込みました。1872年にはアメリカ·ニューヨークでフランスのヌーシャテルチーズに着想を得た乳製品加工業者ウィリアム・ローレンスによってクリームチーズが発明されると、口溶けのよい滑らかな様々なチーズケーキが誕生していきます。

チーズケーキの日本史

1873年(明治6年)に出版された須藤時一郎著『万宝珍書』の「甘味の製法」という項目に『ライスチースケーキ』という記述があり、1903年出版の村井弦斎著『食道楽』にも『チースソフレー』と記述されている。当時のチーズは『チース』と呼ばれていました。この頃は限られた人たちが食したようです。当時の日本人にはチーズは臭く敬遠されていたようです。一般に庶民に広がるようになるのは戦後のことです。今日のベイクドチーズケーキアメリ進駐軍によってもたらされたと言われています。


1964年には東京·赤坂のレストラン「トップス」がレアチーズケーキを発売します。クリームチーズと生クリームをベースにゼラチンを加えたレアチーズケーキの発祥と言われています。アメリカにレアチーズケーキ風のものはありましたが、『ノー・ベイク・チーズケーキ』というゼラチンを使用しないレモンの凝固作用を利用して作られています。


1969年には神戸「モロゾフ」がクリームチーズケーキを発売します。「モロゾフ」の当時の社長がドイツ出張中に立ち寄ったカフェで食べた『ケーゼクーヘン』に感銘を受け、帰国後試行錯誤して誕生しました。


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1980年代には焼きたてチーズケーキが発売されました。大阪「りくろーおじさんのチーズケーキ」や博多「てつおじさんのチーズケーキ」が発売開始されました。

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1990年には当時バブル期の日本では『ティラミス』ブームが起こりました。イタリア料理が『イタ飯』と呼ばれていた時代です。

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現在は『バスクチーズケーキ』が流行中です。

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